こんにちは、【Z.A.P】クリエイターのPhilipです。
毎月定例で書いています「芸術論談義」となります。
前回のブログでは「なぜ日本人は絵を飾らなくなったのか?」というテーマを予告していましたが、ちょっと今回は指向を変えて、実利的なテーマに変更したいと思います。
ココナラで出品を開始して早8か月くらいになりますが、90%くらいは動画編集・動画制作に関するご依頼となっています。
有難いことに、ゴールドランクも頂いて、順調にお取引頂いている状況となっています。
では、今回のテーマですが「動画配信についての考察」という感じで書いていこうと思います。
ぜひお付き合いの程宜しくお願いします。
1.動画コンテンツの拡大
参照:【最新版】動画市場の「今」を知る10のデータ集
今までのメディアというと、テレビ、新聞、ラジオというのが3大メディアでしたが、現在ではYoutubeやNetflix、そして各種SNSというコンテンツに様変わりしました。
もちろん、今でもテレビ・新聞・ラジオを見る聞くという方もいますが、割合で行けば先ほどの新世代コンテンツに押されている状況です。
また、スマートフォンの普及も拍車を掛けました。ネット動画というのは今までPCで観るものというのが相場が決まっていましたが、スマホ=ミニPCによっていつでもどこでもコンテンツを視聴する事が容易となったためです。
これは3G回線から4G、5Gというインフラも大きく関係しています。
今まで会社や学校からの帰宅後は、真っ先にテレビをつけるという習慣もいつのまにか少なくなってきたようです。
まあ僕も家にはモニターしかありませんし、スマホ・タブレット・PCで十分という感じです。
2.コンテンツが変わると変化するもの
参照:【最新版】動画市場の「今」を知る10のデータ集
では、実際コンテンツが変わると世界では何が変わるのでしょうか?
例えば、ファッションの流行は色々移り変わりますが、基本的にはアパレル業界からは逸脱はしません。
しかし、これらコンテンツの変化は、お金の流れに変化を生み出しました。
今までは、企業が番組に広告を出す代わりにスポンサーとして広告費をテレビ局やラジオ局に支払っていました。
しかし、テレビよりスマホで動画を観る人が増えると当然テレビの絶対数的視聴者が減ります。そうなると大金を払って局に広告費を払ってもコストパフォーマンスが悪くなります。
となると、企業はテレビから動画コンテンツの配信業者(今だとGoogle社のYoutubeが一強)に広告費を払った方が効果が高いと考えます。
3.帝王Youtubeの歴史
お若い方は知らないかもしれませんが、私が大学時分の10数年前は、Youtubeには広告というものがありませんでした。
なぜなら、Youtubeの開設当初(当時はまだGoogle社の傘下ではない)は、「ひとりひとりがテレビ局になる」という思想で作られ、個人の自由参加型の動画ポータルだったからです。その名残として、「Youtube」の名前は、「You」は「あなたの・は」。「Tube」は「ブラウン管=テレビ」というのが由来です。
Youtube開設当初は、僕もたまに観ていましたが、趣としては、個人の日常だったり、今でいうVlog的な事、そして圧倒的多数の違法配信(テレビやビデオん無断配信)という感じの若干アングラな感じのサイトでした。
という感じで、当初はとても広告を付けられるようなクオリティの動画など少なく、また違法配信などの著作権管理が難しかったようです。
それが、Google社が先見の明でYoutubeのサイトを買収し、どんどんYoutubeというサイトをホワイト化していき、見事に一大動画サイトとなりました。(まだ違法配信は残っていますが)
日本では同様の動画サイトは「ニコニコ動画」もありましたが、先発という事で日本では認知度がありましたが、サイトの使い勝手や画質、動画数などで徐々にYoutubeに押されてしまいました。
4.現在のYoutube
2021年最新版!「YouTubeをめぐる16の統計データ」
上記画像の参照データによると、今までのYoutubeの視聴合計数が多いのは圧倒的にアメリカで9000億回以上という途方もない数字となっています。
日本もトップ10に入っており、1590億回となっており、人口比率でいえばかなり高い数字になっています。
意外にも中国が入っていないのは、メディア規制で海外製コンテンツの規制が厳しいためです。
5.動画コンテンツはビジネスになるか?
ここまで世界中で動画コンテンツが身近になると、当然ビジネスにつながっていきます。
日々何万時間という動画が投稿されているという事は、その動画を誰かが作っているという事になります。
もちろん配信者自身が自前で制作・編集する事も多いですが、Youtube含め各種SNSの動画広告とうカテゴリーでは、主に制作依頼する場合も多いケースです。動画自体の編集も依頼する事もあります。その辺はこのココナラの出品者を観れば一目瞭然だと思います。
という事は、需要→供給という経済の基本原理があるわけですから、お金の動きもあるわけです。
元々でいえば、こういった動画コンテンツが流行る前は、テレビCMを作る制作会社もたくさんありますので、そういう意味ではけっこう古来からあるビジネス形態とも言えます。違うのは主戦場をどこに置くかという事ですね。
6.配信動画の傾向
ここからは、僕なりの考察を含んでいます。
動画制作のご依頼を頂いてきて、投稿先のメディアの特徴や流行、様相を調査してきたので、分かる範囲で書いていきます。
動画コンテンツの投稿先として強いのはやはりYoutube、そしてインスタグラムだと思います。
それは、ユーザー数が多いというのと、有名人、有名企業も参加してかなりメディアとしてのブランド力が上がっているというのもあります。
Youtubeは前述した通り、今後何か始める上ではもはや欠かせないコンテンツとなってきています。
インスタグラムは大本はFacebookなのですが、動画・画像の使い勝手に特化した後発のコンテンツです。確かにFacebookほど堅苦しくなく、投稿を観やすく、かつ自分も投稿しやすいというのが強みです。
そして重要なのは、「動画時間」です。つまり尺です。
これは、具体的に数字を調べたわけではないのですが、近年だと視聴数と動画時間は反比例していく傾向が強くなってきていると思います。
5,6年前は、テレビ番組のように30分超えの動画も数多くありましたが、最近では、長くても3~5分前後の動画が目に付く様になりました。
また、今年7月から「ミッドロール広告」という動画の中間に入れられる広告が10分以上から8分以上に緩和される予定です。
以前ですと、10分超えないと動画を3つ(オープニング、ミッドロール、エンドロール)入れられず、広告収入に大きく影響していましたが、改定されれば8分の動画でも3つ広告を入れる事が出来るようになります。
これは、Youtubeが近年の動画のトレンドがどんどん短尺化していることをくみ取ったと考えられます。
それを証拠にYoutubeはTikTokの短尺動画をマネして「ショート(Shorts)」という60秒未満の動画をURLで区分けして、カテゴリーを分けています。
また数年前からスマホでの視聴で「10秒スキップ」(左右をダブルタップ)機能も実装しています。
つまり、今後の動画トレンドとしては、「より見やすく」「より早いテンポで」「より早い結論」とうい3つの要素が重要になると思います。
もちろん、じっくりと家でタブレットやPCで観るような長尺の動画も平行して投稿数も増えていくとは思います。
しかし10分以上の動画というのは、視聴者が検索したテーマ、調べものがあるテーマ、お気に入りの配信者という感じで”自分がしっかりと観る意思があるテーマ”に限定され、「ちょっと観てみる」という形で視聴数は伸びにくくなると予測します。
動画の一覧で「10:00」以上の動画は、なんとなく敬遠や後回しにしていませんか?
7.短尺動画のテーマ傾向
それでは、徐々に拡大している短尺動画(主に1分以下の)ではどんなテーマが多いのか書いていきます。
①60秒:ランキング、おすすめ100均、コスメ、旅行、あるあるネタ、趣味、都市伝説など
ある程度時間が長くても、事前にサムネやアバンタイトルで得られる情報が明確だとしっかり最後まで観てもらえる可能性が高くなります。この動画時間をメインに配信している人は、3分~5分くらいの全編動画とリンクさせている場合が多いです。短尺動画からメイン動画に誘導し、チャンネル登録やイイネを稼ぐポピュラーな手法です。
②30秒前後:Vlog(趣味、活動)、Vtuberネタ、ゲームネタ、投資ネタ、ハプニング、ライフハック、ダンスなど
短尺動画の大きなマスを占める動画尺帯と言えます。テーマ範囲は広く、ちょっとした時間に流し見してもらえる様な工夫がされています。字数は抑えめで、テンポの早い音源、結論まで早い構成が特徴です。
この動画時間の配信者の特徴は、とにかく投稿頻度が高く、日に2~3回程30秒前後の動画を投稿していきます。テーマが決まっていると他チャンネルからでも関連動画で視聴される可能性も高く、いかに多くの人に回数を観てもらえるかが課題になってきます。
③15秒以下:ルーティン動画、一発芸、芸能人、有名配信者、隙間報告など
この動画時間帯は、ある程度チャンネル登録者数が固まってきたチャンネル、配信者がよく投稿するパターンです。
動画内容自体は特にオチやメリハリは無く、配信者の移動している合間や有名人とのツーショットや食事、イベント前後などのちょっとした時に配信している動画が多いです。
動画はスマホからの直撮り、無加工かスマホアプリでの軽度な加工・編集のみで手間をかけずにファン層にコミュニケーションを取るツールの様な扱い方が多い様に感じます。
僕が調査した結果なので、これが絶対正しいという事ではありませんのでご注意ください。
8.最後に
長くなりましたが、最近の動画傾向について考察してみました。
少しでもご参考になれば幸いです。
Philip/K/Kom
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